| main | 開始 >>

けいおん!! #20「またまた学園祭!」

ついにやって来た20話、2期としても軽音部としてもクライマックスとなる桜高祭ライブ。

最終回前の最終回、Gガンダムで言えば東方不敗の最期。
喩えはさておき、20話の反応は今までになく極端に分かれた回だったのが印象的。


なぜなら、2期の方向性として外の世界との関わりを増やし、決して特別ではない女子高生
として描かれてきたHTTの5人が突如、「セカイの中心」に引き戻されたから。
冒頭のTシャツサプライズ、生徒会長たる和の煽りMCと相まって、いきなりカリスマ状態。

「待ってました、主役らしいところ!」
「待てよ、いつもと様子が違う・・・?」

前者の場合は画面の向こう側に飛び込み、舞台袖やステージ下から応援して熱狂していた
だろうし、或いはHTTと一緒にステージに立ち、言葉にならない感動を味わっただろうことは
想像に難くない。

後者の場合、画面のこっち側にいた。今までと全く様子の違うハイテンションの始まりに
何事かと戸惑いつつも、後で追いつけた人から講堂の外に放り出され置いてきぼりを
食らった人まで様々。
これは感性の強弱でも理解力の優劣でも価値観の善悪でもなく、それぞれの自然な反応。

ゆえに特定の価値観で塗り潰されるエピソードは説得力を失う危険を併せ持つ。2期3話で
起きかけたことが更に大きくなって発生した。特に劇中で奏者と観客のコミュニケーションが
存在するライブのような場合は、観客の反応への共感がないと場の雰囲気を信じることが
出来なくなる。画面のこっち側では、最初それを心配しながらハラハラと見守っていた。

音楽アニメ(一応)としての意地を感じさせる、演奏シーンの執念の作画と演出の臨場感。
信代はじめ17話の教室練習の時に居た顔ぶれがステージ下で囃してライブの進行を煽って
いくも、最初のMCが話として意図された演出ではなくガチのグダグダになりかけてるのでは
と本気で思い始めた頃、「何か もうグダグダ・・・」すかさず純ちゃんのツッコミが入り、さらに
メモを忘れてうろたえる唯の姿に腹を抱えて笑うAパートの引きが救いとなり流れが変わる。

温度差のある存在がいることで初めて場の雰囲気に客観性が加わり、説得力を持つ。
その存在こそが純ちゃんであり、入り口でTシャツを配っていたいちごちゃんだった。

ライブを楽しみつつも妥当な反応をする純ちゃん、特別熱心ではないけれど見えない場所で
手を貸してくれるいちごちゃん。2人はエピソードが極端な方向に吹っ飛んでしまうのを防ぎ
繋ぎ留める、たった2本の強力なアンカーだった。餡の甘さを僅かな塩が引き立てるように。

追い風を受けるライブは、後半からムギが存在感を見せる。
クラス描写の増えた3年2組の中で、活発で友達付き合いの良い唯と律、そして人見知りで
いつも律にくっついて歩いてる澪までは想像通りでも、クラスの中でムギの立ち位置が不明
だった。

おっとりしてて優しくて、それゆえどこか掴みどころの無い印象はクラスメイトの間でも共通
だったかもしれず、ムギ本人すら驚いたステージ下からのムギコールは、クラス劇を通して
いつの間にかクラスメイトと心の交流が深まっていた証でもあった。

オカルト研の娘たちの後ろに居たお嬢様風の3人組、あれは誰だろう。ムギの旧友なのか。
わからないけど彼女達を驚かせてしまうほど、ムギは変わった。ひと皮もふた皮も剥けた。

ムギだけじゃない。
夢中になれるものを見つけた唯、恥ずかしがりを徐々に克服した澪、飽きっぽい性格だけど
ドラムを続けることが出来た律、そして心の居場所を作ることが出来た梓。みんな変わった。

だからこそ、言ったのだ。
「放課後ティータイムは いつまでも・・・ いつまでも 放課後ですッ!」


        ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ・・・ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄
     ̄

・・・確か、ライブ前の気合入れでもケーキがどうだとか言ってた。

だって気にしてないから。
本能のままで生きてるから。ありのままを隠して飾ろうなんて考えてないから。
ウケ取ってやろうとか上手いこと言ってやろうとか盛り上げてやろうなんて思ってない。

他人から良く見られたくてやってるわけじゃない、プロになろうとか計算なんてしてない。
音楽がきっかけで知り合って、音楽を通して仲良くなって、音楽と一緒に今まで駆けて
きた時間は放課後ティータイムそのものであって、他の何ものでもないから。

そんな自分たちのために居場所があって、見守ってくれる大人がいて、助けてくれる友人
がいて、支えてくれる家族がいて、理解してくれる後輩がいて、応援してくれるクラスメイト
たちがいて、ライブを見てくれる沢山の人たちがいて、その全部に「ありがとう!!」して。

カッコ悪くても滑ってもグダグダでも、本気でありのままで、裸のハートを晒して30分間の
ステージを演奏に叩きつけた5人の女の子の姿だけがそこにはあった。



そして、ライブで裸のハートを晒せたから部室で本気で泣くことができた。
もう二度と再びこの楽しい軽音部の時間は巡ってこない、実感した寂しさに涙する3年生。
おっとりお嬢様の姿をかなぐり捨てて感情を爆発させるムギの「やだやだ!」が胸を刺す。

でも、梓は泣かない。
梓まで一緒に泣いてしまったら、誰もこの3年生たちの気持ちを受け止めてくれる人が
居なくなってしまうから。それに来年の軽音部の存続・HTTとしての活動・自身の進路と
その小さな肩に多くを背負うことになる梓にとって、今はまだ涙する時ではない。

いつもは先輩に甘えっぱなしの梓が甘えられて、優しく慈しむようにムギの涙を拭き取る
姿に暖かな絆を見る。涙も鼻水も髪の毛につくのも構わず抱き合う5人は、心の底から
わかり合えた、かけがえのない仲間だった。

ライブで疲れ、泣き疲れて寄り添い眠る寝顔に言ってあげたい。


サイコーにカッコ悪かったよ!
サイコーに滑ってたよ!
サイコーにグダグダだったよ!

だからこそ・・・

サイコーにカッコ良かったよ!
サイコーに輝いてたよ!
サイコーに素敵だったよ!

・・・と。



-----------------------------------------------------

(おまけ)
今回は純ちゃんといちごちゃん、ムギと梓の4人がキーになったなという感じ。

2クールの長丁場を活かして前後編になった桜高祭、そろそろ純ちゃんの演奏スキルを
披露すべくジャズ研の演奏がチラリとでも出ないかなと期待しなかったと言えば嘘になる
けれども、HTTライブの作画とモブクオリティからして、チョイ出しのビッグバンドの演奏に
リソースを振り向けるのは選択と集中の観点からして適切ではないので止むを得ない。

ネタ的にも、まさか「ごはんはおかず」が曲として完成するとは思わなかったし、ギターを
落としたりぶつけたりと楽器あるあるネタは音がリアル過ぎて痛い痛い痛い痛い痛い!

15話の声付き登場以来ガン見してたオカルト研の娘たちも律儀にライブ来てくれたお陰で
2週連続で拝めたし、3年2組のポニテ眼鏡っ娘のアップも登場して眼福眼福。
眼鏡っ娘の横顔は睫毛のあたりに何となく愁いを帯びるのがいい。

さて冒頭でも触れたGガンダム、東方不敗亡き後、弟子のドモンは亡き師匠から継いだ
技をより昇華させた新たな力で最大の敵を屠り、勝利の栄光と生涯の伴侶を手に入れ
大団円を迎える。

願わくば、唯たちが巣立った後に残される梓にも新たな仲間と明るい未来が待ち受けて
おらんことを。次回以降のけいおんに望むものはただ、それ一つだけ。

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>
selected entries
categories
archives
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM