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けいおん!! #23 「放課後!」

 さて、日付を推測するに前回から半月〜1ヶ月近く経ったらしい卒業式の前日。

冒頭、いきなりアイロンかけてるのは4話の憂の再来かと思いきや唯だった衝撃の事実。
しかも、6話の時と違ってちゃんとアイロンかけられてるし。一体どうしたんだよ唯。
夏期講習の朝しっかり起きてた時のような「いつの間に進化したんだ?」感。

そして姉を気遣ってメールしようとする憂よりも先んじて行動して登校する唯。
律の召集があったとは言え、いつもと何かが違う・・・。

つまり4・5話の修学旅行や13・14話の夏休みと同じように、22・23話で対になる
2年生と3年生の別々の視点からなるエピソード。今回は「卒業」ということか。

たぶん卒業式を前に、唯は2つの「卒業」を済ませたのだ。憂と和に対して。
今まで頼って依存していた2人から、いつの間にか自立してしまったのである。

生徒会室での一幕で軽音部メンバーが立ち去った後、ひとり生徒会室で感慨に耽り
微笑む和。もう唯は自立できた。傍で見てあげてなくても唯は新しい友人を手に入れて
羽ばたいていったのだから大丈夫、と。
原作ではしっかりと和のセリフとして明示されたが、アニメではそれとない情景描写で
柔らかく表現されていた。

憂が「遅くならないように」と梓に言付けていたのに、レコーディングを初めて結局は
さわちゃんに言われるギリギリまで学校に残っていたり。
自立によって手に入れた自由で、唯はいよいよ大学生になろうとしてる。





そんな春近い一日の出来事。
まだ寒さが残る中、暖かい日差しが差してくる3月頃の独特の空気感を色彩と光源で
見事に表現してみせる京アニ得意の季節描写が穏やかな雰囲気を醸し出す。



卒業式の前日に、とりあえず何かしようと集まったものの何も思いつかず、放課後までは
演奏も出来ない。普段は部活動そっちのけで部室で遊びを見つけている4人が、授業の
無い疎外感から逆に何も出来ない。
ムギはひたすらお茶を淹れることを繰り返すしかなく、他の3人もそれに付き合い続け
部室に篭ったまま壊れたレコードのような時間が続く、放課後ではないティータイム。

ようやく、教室に行き残した荷物を取りに行くことを思いつくが、偶然出くわした和に付いて
回ったり、さわちゃんに絡んでみたりするもイマイチ。とうとう昼休み時間になってしまうが
やはり疎外感から気後れして購買のパンも買いに行けない。

やはりHTTの存在も、軽音部の活動も、3年生組の大胆さも、全て桜高の校舎や部室に
見守られていたからこそ出来たことなのだ。それを実感させられる瞬間。
桜高あっての軽音部。桜高あってのHTT。桜高あっての唯たち。



そんな唯たちの前に、純ちゃんと梓が!
「まだ居たんですか?」梓の一言には、既に3年生の居ない学校が当たり前になっていた
ことが表わされている。その間、梓は一人で練習してたのだろうか?自宅の居間のように。
あとは純ちゃんと憂で集まって何かをやるくらいしか放課後はやること無かったはず。

ともかく、唯たちが梓にパンを買って来てくれるよう頼むその時、純ちゃんが一仕事。
「澪先輩!・・・とムギ先輩の分は私が」と先輩を立てて気遣うが先輩に対しても結構押しの
強い娘である。ひょっとしたら、唯たちとも純ちゃん一人で渡り合えるんじゃないだろうか?
純ちゃんは毎回、新しい側面を見せてくれて、その度にいい仕事をしてくれる。


で、今回はあの ゴ ー ル デ ン チ ョ コ パ ン 再登場である。


これが梓や憂だったら、言われたものを買うだけで終わり。
だけど純ちゃんはここで話をもうひと転がししてくれる。5話の時からエピソードを引っ張る
キャラとしての立ち回りが明確になったけど、3年生が居なくなりがちな終盤になっていく
につれて、純ちゃんの存在感はどんどん大きくなっていくばかり。



ともあれ、部室の机の上に横たわる巨大チョコパンが空気を変えたのは間違いない。
ここで「中にチョコクリームたっぷり」という設定が明らかになったりと、これはスタッフが
「やり残していたこと」だったのだろう。5話で純ちゃんが買った時は、2年生トリオ3人で
食べていたことも。

午前中の退屈を吹き飛ばした純ちゃんの心遣いがよほど気に入ったのだろう、それとは
知らない唯は梓に礼を言って、ゴールデンチョコパンの残りをわざわざ袋を詰め替えて
純ちゃんと憂への土産に持たせる。

「食べたこと、あるんだけどな〜」。いつもは3年生の後追いばかりしてる2年生だけれども
3年生の知らない世界を先に知っていたことに、ちょっぴり優越感に浸る梓が微笑ましい。

そう、この23話は2年生トリオが5話でやっていたことを3年生組が後追いしているという
いつもとは関係があべこべになってるエピソードだったりする。

誰も居ない教室に荷物を取りに行き、ゴールデンチョコパン食べて、とりあえず集まった
けどやること無くて、退屈しのぎをしたりトンちゃんにエサやって、最後は演奏して・・・。
学校の中で2年生と3年生の主従関係が逆転した日常も、23話のもう一つの描写だった。




で、ゴールデンチョコパンで空気の変わった部室は「やり残したこと」タイムに突入。
ムギが2話のホムセンで買っていたガラス拭きクロスを使い出して皆で掃除を始める。
落書きだらけだったホワイトボードも真っ白に。今まで3年生が部室に付けてきた色を
洗い落として、来年に引き継ぐのである・・・と思いきや、カエルの置物はそのまま。
一方で部費を殆どキッチリ使い切ってるし、相変わらず後先のことを考えてない3年生
の一幕である。

そして迎える、最後の放課後。

梓がそこで見たものは、初めて軽音部らしい様子を見せてる3年生だった。
最後の演奏でアルバム製作のレコーディング、ケースのジッパーを下ろしギターを構える
梓の動作のキレの良さから嬉しさが滲み出てる。でも、曲順決めでダラダラしてしまう辺り
やっぱりいつも通りなのである。

そんな会話も録音しようとしたムギと唯の行動で、初めて自分の声色を客観的に聴いて
言動のキツさに気付く梓。だけど梓は音楽で先輩と会話しようとしていた不器用さが災い
して、お茶会で会話しようとする唯たちのノリに付いていけなかっただけなので悪気は無い。



だが、何のかんの言って順調にレコーディングは進む。
それを見て続けさせるさわちゃん、過去の自分を重ねたのだろうか、何も言わず見守る
視線は夕焼けの光の暖かさそのもの。見守られる唯たちは、さわちゃんの手伝おうかと
いう申し出にも甘えず、自分たちで録音を続ける。気負いからではなく自然に生まれた
唯の小さな自立心が垣間見える瞬間だった。朝から自分で制服にアイロンかけてみたり
少しずつ自分の足で歩き出しているのか。

でも、録音が終わって梓に指摘されるまで掃除で制服が汚れたことに気付かない辺り
やっぱりいつも通りなのである。





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(おまけ)
今回はエントリを書いてるうちに新しい発見が増えて止まらなくなってしまった。

日差しの角度の低さと、日当たりの淡い色彩が日差しの暖かさを、濃い影の色合いが
空気に残っている寒さを見事に描写して、3月の空気感を表現してる。
地味だが非常に研究されている積み重ねが、京アニの季節描写力の源なのだろう。

こうしたけいおんの絵作りにおける表現力は色指定と撮影スタッフの尽力によるところが
大きいと今までのスタッフコメンタリーからも推察できるので、今からBD8巻で聴ける
裏話が楽しみでしょうがない。


さて、やり残したシリーズと言えば和の眼鏡。
今回、初めて省略無しで眼鏡のデザインが明らかになった。モブと違って出番の多い
和はキャラデザ上、眼鏡の描き方が省略されてる。これは瞳と被らないようにする為で
アニメキャラの眼鏡っ娘にアンダーリムが多い理由でもある。

眼鏡が瞳と重なることは作画上とても負担で、原画・動画サイドからは悲鳴が上がる
ことはOVA「R.O.D」1巻のスタッフコメンタリーで苦労話が語られている。
あちらは眼鏡っ娘アニメなので眼鏡を省略することは出来ないから、作画側と話し合い
「読子の眼鏡は何としてでも死守する、でも眼鏡キャラは読子以外出さない」という条件
で決着したという経緯があったくらい、大変だとのこと。

それだけに、眼鏡っ娘好きとしてはアニメでは残念なケースを見せられることが多いが
今回は卒業間近なので「やり残したこと」としてスタッフからプレゼントしてくれたのかも。

唯から返された眼鏡を掛け直す、フェチ分たっぷりの和のシーン、じっくり堪能させて頂く。



そしてカセット録音の「あるある」感がたまらない。
アナログ録音は外からの干渉を受けやすく、作中の校内放送やムギのクシャミのような
ものとは別に、振動もテープが揺れて走行のヨレが起きるのでご法度。

レコードからのダビングなんてやろうものなら、近くを歩くだけでも針が飛ぶ。
録音が終わるまで気を抜けない緊張の45分とか、思い出すだけでも懐かしくなる。

ダビングと言えば、アルバムを録音する時はテープの厳密な時間を測るところから始まり
極力空白時間が起きないように曲順を変えたりボーナストラック挟んだり、秒単位で計算
してお気に入りの1本を作り上げた記憶もあった。

こう、テープにしろカメラにしろ、アナログ機器というのは記録する「データ」というものに
対して「モノ」として触れている感覚が得られるから独特の良さがあるのだろう。




それにしても、山田監督の「純ちゃん強化」策は英断だとつくづく思う。
改めて振り返ると、梓視点の増える2期は純ちゃんが居ないと成り立たない部分が多いし
3年生が受験で動きにくくなる後半以降は特に欠かせない存在になった。

話を引っ張る欠かせないキャラだけど前に出過ぎず他のキャラを食ってしまうことはない。
そんな絶妙の立ち位置をキープする純ちゃんはまさにけいおん2期のベーシスト。
次回の最終回、そして番外編も楽しみ。

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